BtoBとBtoCでこんなに違う!導入事例制作のポイント
まず押さえておきたいのは、BtoB向け導入事例とBtoC向け顧客事例では内容や制作アプローチが大きく異なるという点です。BtoCのユーザー事例では、「一般消費者の生の声」を紹介し、感情に訴えかけるストーリーやビジュアルを重視する傾向があります。たとえば、個人の体験談や写真をメインに、生活がどのように変わったかなどを短めに紹介する形式です。
一方でBtoBの導入事例は、企業の導入プロセスや効果を論理的かつ詳細に描き、稟議を通しやすくするための根拠(数字や具体例)をしっかり示す必要があります。複数の担当者インタビュー(現場スタッフ~経営層まで)を交えるほか、ROIや業務効率化データの裏付けが求められ、文章のトーンもフォーマルで専門的になりがちです。
したがって、BtoB商材を扱う場合には、BtoB向け事例制作の経験が豊富な外注先を選ぶことが何より大切です。BtoBの取材・執筆ノウハウを持たない制作会社やライターに依頼すると、消費者向けテイストが強くなりすぎたり、KPI・導入効果などの重要なポイントを十分に取材できず、成果につながりにくい事例が出来上がってしまう可能性があります。
外注先タイプ別のメリット・デメリット
導入事例を外注する際、依頼先には大きく分けて「事例制作会社」「ライティング会社(コンテンツ制作会社)」「フリーランス」の3タイプがあります。それぞれの特徴をよく理解し、自社の商材や目的に合った外注先を選ぶことが大切です。
1. 事例制作会社
特徴・メリット
- 写真撮影まで含めて一括対応してくれる場合が多く、ヒアリング~編集~デザインまでスムーズに進みやすい。
- BtoB事例制作の専門チームがある会社なら、稟議対策に必要な「導入背景」「選定理由」「具体的な効果」などを的確に押さえた構成を提案してくれる。
デメリット
- 撮影やデザインなど工程が多くなる分、制作費用はやや高額になりやすい。
- デザイン会社が兼業しているケースでは、ビジュアルを優先するあまり「華やかすぎる」見た目になってしまい、BtoBの実務内容が伝わりにくくなる可能性がある。
- 商材やビジネスモデル次第で、そこまで豪華なビジュアルは必要ない場合もあり、その場合はオーバースペックになりやすい。
2. ライティング会社(コンテンツ制作会社)
特徴・メリット
- SEO向けコンテンツやホワイトペーパー制作を得意としていることが多く、取材~執筆の体制が整っている。
- プロのライターが複数在籍している場合、文章構成や取材力の質が高い。
- “読みやすさ”に長けた文章を作るのが得意で、ストーリー性のある事例記事に仕上げてもらいやすい。
デメリット
- 会社によっては「WEB記事」としての仕上がりを重視するあまり、BtoBの営業現場で稟議を通すための要素が不十分になる可能性がある。
- 「選定理由」や「導入効果」といったBtoBの導入事例で特に重要な項目に関する取材が浅くなることも。
- BtoB向け実績が明確にあるかを事前に確認し、稟議対策の視点が分かるライターやディレクターをアサインしてもらうなどの工夫が必要。
3. フリーランス
特徴・メリット
- 制作会社に依頼するより費用を抑えやすい。
- 高いスキルを持つ個人に当たれば、コストパフォーマンスが非常に良いケースもある。
- 「1件だけ安く作りたい」という場合には適している。
デメリット
- 外注先の選定やディレクション、進行管理、最終チェックなどを自社で行わなければならず、手間がかかる。
- フリーランス個人のスケジュールや体調に左右されるため、納期や品質が不透明になりやすい。
- 継続的に複数事例を作りたい場合はリスクが大きく、量産には向かない。
選び方のポイント
BtoB事例で「絶対に失敗したくない」なら、やはりBtoB商材の制作実績が豊富な導入事例専門会社を選ぶのが無難です。過去の事例や成果をオープンにしている会社であれば、自社の業界や製品の特性とマッチしているかを確認しやすく、安心して任せられます。もし写真撮影を重視するならビジュアルに強い制作会社を、逆にビジュアルにこだわる必要がないなら取材・ライティング中心の会社を選ぶなど、必要に応じて外注先の特長を選り分けることが大切です。
依頼前に要チェック!発注時のポイント
外注先が決まったら、失敗を防ぐための準備を怠らないようにしましょう。以下のリストを参考に、発注前の段取りや確認を行ってください。
- 業界知識の確認
- 「自社業界に明るいライター・インタビュアーがいるか?」をチェック。
- 似た領域の事例制作経験がある人材をアサインしてもらえるか確認しておく。
- 構成の事前共有
- 「どんな課題解決ストーリーにしたいか?」「どの効果を最もアピールしたいか?」など、発注前に主な骨子を固めておく。
- 複数の事例を作る場合、他と内容が重複しないように注意しつつ、外注先とすり合わせる。
- 関連資料の提供
- 自社サービスや顧客企業の参考資料(パンフレット、提案書、サイトURL、営業メモなど)をあらかじめ渡しておく。
- 取材前に予備知識を得てもらうことで、当日のインタビューがスムーズになり質の高い原稿に仕上がる。
- デザインイメージの明示
- デザインまで依頼する場合は、他社事例や自社ホワイトペーパーなどを見せ「こんなテイストにしたい」という方向性を具体的に伝える。
- イメージのすり合わせが曖昧だと、後から「こんなはずじゃなかった」というトラブルに発展しやすい。
- 素材の準備
- ロゴ・製品写真・顧客企業のロゴなど必要素材をリストアップし、早めに用意する。
- 取材先企業の写真も可能であれば取得し、「現場感」を出せるように手配しておくとクオリティが上がる。
- スケジュールと責任者の確認
- 取材日や納品日のマイルストーンを設定し、誰がチェックや承認を行うのか明確にしておく。
- 取材先である顧客企業の都合にも配慮し、余裕あるスケジュールを組む。
まとめ
- BtoB向け導入事例とBtoCの顧客事例は制作アプローチが大きく異なる。
→ BtoBでは稟議対策として「導入背景」「選定理由」「効果」を論理的に示す必要がある。 - 外注先のタイプごとに得意・不得意がある。
→ 事例制作会社、ライティング会社、フリーランスなどから自社に最適な選択肢を見極める。 - 失敗を防ぐには、「どんな事例を作りたいか?」を発注前に明確にし、BtoB実績のある制作先を選ぶのが鉄則。
→ 制作目的・デザイン要件なども事前に共有し、認識のズレを防ぐ。 - 写真撮影の必要性を見極める。
→ 写真を重視するならビジュアルに強い会社を、そうでないならオンライン取材中心の安価なサービスを選ぶなど判断する。
最後に、弊社ではオンライン相談を無料で承っております。「自社にどんな導入事例が必要か分からない」「複数の事例を効率的に作りたい」などのお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。BtoB向けの導入事例制作に特化した専門チームが、最適なアドバイスをさせていただきます。