「お客様の声(VOC:Voice of Customer)」は、企業が顧客のニーズを正確に把握し、サービスや製品を改善するために欠かせない情報です。
顧客の満足度を高めるだけでなく、事業の成長や競争力強化にもつながる「顧客の声」を、どれだけ有効活用できるかが重要なポイントとなります。
しかし、実際には「どのように収集すればよいのか」「集めた意見をどう改善に反映させるべきか」に悩む企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、具体的な声の収集方法から分析、実際の活用事例までを詳しく解説します。
「お客様の声」の活用に初めて取り組む方でも理解しやすい内容にまとめましたので、ぜひ参考にしてください!
お客様の声はビジネスの成功の鍵
お客様の声を活かすことで、ビジネスのあらゆる面が改善されます。
以下では、お客様の声が持つ力と活用するメリットについて詳しく掘り下げます。
お客様の声の重要性
お客様の声は、顧客が商品やサービスについてどのように感じているかを直接的に教えてくれるデータです。
ポジティブな意見は企業の強みを示し、ネガティブな意見は改善すべき課題を浮き彫りにします。
また、顧客から寄せられる声の中には、企業にとって思いもよらない新たな発見が含まれていることがあります。
たとえば、企業が重要視していなかった部分が、実際には顧客にとって大きな価値を持っていたというケースも少なくありません。
このような新たな視点が得られれば、競合他社との差別化を図ることもできます。
お客様の声がもたらす具体的な効果
「お客様の声」には、企業やサービスにとって多くの具体的なメリットがあります。
その中でも、主に以下3つのメリットが挙げられます。
- 顧客満足度の向上
- 商品やサービスの質の向上
- 口コミ効果の向上
たとえば、商品の操作性に関する意見を反映してユーザビリティを向上させた企業では、販売数が大幅に伸びた事例があります。
また、顧客の声を取り入れたサービス改善がSNS上で話題となり、新規顧客が増加したケースも珍しくありません。
このように、「お客様の声」は単なる意見ではなく、顧客との関係を深めるだけでなく、競争力を高めるための鍵となるでしょう。
お客様の声を集める効果的な方法
お客様の声を最大限に活かすためには、まずは正確にお客様の声を集めることが必要です。
お客様の声の集め方として、以下の方法が挙げられます。
- アンケート
- レビューサイト
- SNS
- お問い合わせフォーム
- 顧客インタビュー
それぞれの収集方法について具体的に解説します。
アンケート
アンケートは、お客様の声を定量的に収集するための基本的で効果的な手法です。
ウェブフォームや紙媒体、店頭での記入など、実施方法も幅広く、顧客との接点に合わせて最適な形式を選ぶことができます。
アンケートの回答率を上げるには、設計が重要です。
質問は簡潔かつ具体的にし、以下のようなポイントにも意識しましょう。
- 回答時間が短く済むようにする(目安は5分以内)
- 「自由記述」欄を加えることで、顧客の生の声を引き出す
- 回答者に特典を用意する(割引クーポンやポイント付与など)
レビューサイト
Googleレビューや食べログなどのレビューサイトでは、顧客が感じたことを率直に投稿するため、生の意見が集まりやすい特徴があります。
レビューは公開されるため、企業にとってマイナスな意見が寄せられることもあります。
ただし、マイナス意見を削除するのではなく、以下のように活用することが重要です。
- 低評価のレビューにも真摯に対応し、改善策を提示する
- 高評価レビューを抜粋し、宣伝に活用する
SNS
SNS(ソーシャルメディア)は、顧客が自発的に意見を発信する場です。
特に、X(旧Twitter)やInstagramでは、企業や商品についての投稿が日常的に行われています。
SNSを活用するポイントは、以下の通りです。
- ハッシュタグを設定し、投稿内容を追跡する
- ポジティブな投稿を公式アカウントでシェアすることで、顧客に安心感を与える
お問い合わせフォーム
お問い合わせフォームを通じて寄せられる質問やクレームも、貴重な顧客の声(VOC)として活用できます。
これらの意見は、サービスの改善点を把握するうえで有用です。
また、お客様からの問い合わせに対しては、迅速な対応が求められます。
顧客が「この企業なら安心して利用できる」と感じれば、ブランドへの愛着や忠誠心が育まれ、結果として顧客ロイヤルティの向上につながります。
スピーディーかつ丁寧に対応することで、企業への信頼感を高めることができるでしょう。
顧客インタビュー
特定の顧客に直接インタビューを行うことで、ほかの手法では得られないより深い観点からの回答が得られます。
この方法を活用することで、アンケートやレビューでは捉えきれない「背景」や「動機」など、顧客の本音に迫ることができます。
インタビューを効果的に行うためには、以下を意識することが大切です。
- 質問内容は事前に明確に準備する
- 顧客がリラックスできる環境を用意する
- 得られた情報を可能な限り具体的に記録する
このように、インタビューの効果を最大化するには、事前準備と丁寧な対応が重要です。
お客様の声を分析し、サービス改善に繋げる3つのステップ
お客様の声を収集した後は、以下のステップで活用していくことが重要です。
- ステップ①収集したお客様の声を分類、整理する
- ステップ②具体的な改善策を検討、実施する
- ステップ③効果を測定する
以下からは、具体的な分析と改善の手順をそれぞれ見ていきましょう。
ステップ①収集したお客様の声を分類、整理する
まずは、収集した情報を適切に分類しましょう。
分析を行うことで、データの全体像を把握しやすくなります。
「お客様の声」は、主に以下の3つに分けられます。
分類方法 |
具体例 |
---|---|
ポジティブな意見 | 「接客がとても丁寧だった」 |
ネガティブな意見 | 「注文の待ち時間が長い」 |
改善要望 | 「もっと多様な支払い方法を用意してほしい」 |
各項目の分類が終わったら、それぞれのカテゴリに優先順位をつけましょう。
改善が急務な項目から対応することが重要です。
ステップ②具体的な改善策を検討、実施する
分類が完了したら具体的な改善策を検討し、実施に移します。
改善策を検討する段階では、顧客の声を活用して実行可能なプランを策定、改善していくことが重要です。
ただし、全ての要望に同時対応するのは難しいため、インパクトが大きい項目や顧客満足度に直結する問題を優先して解決します。
また、各部門の担当者を交えて議論し、具体的な目標や期限を設定した実行プランを策定することが大切です。
実際に改善を行ったものに関しては、顧客の意見を反映したものであることを伝えることで、信頼感と満足度を向上できます。
ステップ③効果を測定する
改善策を実施しただけでは終わりではありません。
改善策の効果を測定し、以下のように次の改善につなげるためのデータを収集することが不可欠です。
効果測定の手順は、以下の通りです。
手順 |
内容 |
---|---|
1.定量データを活用する |
実施前後の売上データや顧客満足度調査の結果を比較する |
2.定性データを収集する |
アンケートやインタビューを通じて顧客から直接フィードバックを集め、具体的な感想や意見を把握する |
3.長期的な視点での評価を行う |
一時的な成果だけでなく、長期的な売上や顧客満足度の動向を観察し、効果が持続しているかどうかを確認する |
効果が明確になった改善策については、次のステップとして他の事業部門や製品ラインに横展開できます。
また、成功事例を社内で共有することで、全体のモチベーション向上にもつながります。
お客様の声の具体的な活用事例
ここからは、実際のビジネスでお客様の声をどのように活用できるのかを具体的な事例を交えながら解説します。
商品やサービスの新規開発、改善
多くの企業が新製品開発の際にVOCを活用しています。
お客様の声を反映させることで、顧客のニーズに合った製品やサービスを提供できるようになります。
事例1:健康志向の食品開発
ある食品メーカーでは、「健康的で手軽に食べられる商品が欲しい」という顧客の声を受けて、塩分控えめの冷凍食品を開発。
塩分が控えめであることから、忙しい現代人や高齢者に支持され、売上が前年比150%増加しました。
事例2:ITサービスの改善
クラウドサービス提供企業が「操作が分かりにくい」という声を受け、直感的な操作が可能なユーザーインターフェースを開発しました。
この改善により、解約率が20%減少し、顧客の満足度が大幅に向上しました。
ソーシャルメディアでの発信
お客様の声をソーシャルメディアで活用することで、顧客とのエンゲージメント(つながり)を深めることができます。
発信例1:ポジティブなレビューのシェア
飲食業界では、顧客がレストランの料理写真とともに「とてもおいしかった!」といったコメントを投稿することがあります。
こうした投稿を企業の公式アカウントで再シェアすることで、多くの潜在顧客にお店の魅力を効果的に伝えることができます。
このような投稿を目にした人々は、「自分も行ってみたい」と興味を抱きやすくなるでしょう。
また、製品やサービスの実際の使用シーンを含むポジティブなレビューを共有することは、企業の信頼性を高めるだけでなく、購入意欲の向上にもつながります。
発信例2:ハッシュタグキャンペーンの実施
ファッションブランドなら「#私のお気に入りスカーフ」というハッシュタグを設定し、顧客が購入したスカーフを着用した写真を投稿するキャンペーンを行うケースが考えられます。
こうしたキャンペーンでは、多くの投稿が集まり、SNS上で話題となると同時にスカーフの新しいスタイリングが共有されるはず。
投稿が増え、拡散されればブランド全体の知名度が向上し、新規顧客の獲得も狙えます。
導入事例の制作
BtoB企業にとって、導入事例は新規顧客を惹きつける重要なマーケティングツールです。
実際の顧客が得た成果や使用感を具体的に伝えることで、潜在顧客に対して自社製品やサービスの有用性を効果的にアピールできます。
導入事例制作のポイントは、以下の通りです。
- 顧客の許可を得て具体的なデータを使う
- 導入前後の効果を明確に比較する
- 専門用語を避け、わかりやすい表現で伝える
数字や具体的な改善内容を含めた導入事例は、新規顧客にとって説得力があり、サービス導入を後押しする効果的なツールとなります。
お客様の声を活用する上でのポイント
お客様の声を効果的に活用するためには、収集した情報を適切に処理し、以下のように伝え方にも工夫を凝らすことが重要です。
- リアルなお客様の声を使う
- お客様の名前や写真を掲載する
- 自社の商品やサービスを使用してどのような変化があったかを記載する
以下では、VOCの活用を成功させるための具体的なポイントを詳しく解説します。
リアルなお客様の声を使う
本物の顧客の言葉は、ほかの読み手に信頼感を持たせやすいものです。
過度に誇張された内容や抽象的な表現を避け、顧客が実際に語った内容をできるだけそのまま使うことが理想的です。
リアルな声の具体例として、以下があります。
- 「毎朝の準備が時短できて助かっています。」(実際に使った感想)
- 「高齢の母にもわかりやすい操作性が良いです。」(家族視点の意見)
こうした声を直接的に活用することで、商品やサービスのリアリティを感じさせることができます。
お客様の名前や写真を掲載する
名前や写真などの顧客情報を加えることで、証言の信頼性がさらに高まります。
特にBtoBの場合、具体的な会社名や担当者のコメントを掲載することで、新規顧客に良い印象を持ってもらいやすくなるのです。
注意点
- 個人情報の公開については、必ず事前に許可を取る
- 公開する情報は顧客が納得する範囲に限定する
また、匿名での掲載を希望する顧客には、イニシャルや一般的な属性情報(例:40代女性、主婦など)を使用します。
自社の商品やサービスを使用してどのような変化があったかを記載する
顧客が商品やサービスを利用した結果、以下のように具体的にどのようなメリットを得たのかを明確に伝えることが大切です。
事例で強調すべきポイント
- 数値での効果を示す「利用後、業務効率が30%向上しました」「5kgの減量に成功しました」など、定量的なデータがあると説得力が増します。
- 具体的な場面を描写する「新しいCRM(顧客管理システム)を導入後、問い合わせ対応時間が10分短縮されました」など、顧客がどのように使っているかをイメージさせます。
お客様の声を活用した導入事例の制作はFIELD-Xにおまかせ
今回は「お客様の声」を収集し、分析・改善に活かす方法、さらに具体的な活用事例について詳しく解説しました。
顧客の声は、ビジネス成長の原動力であり、正しく収集し、適切に活用することで、顧客満足度の向上や新規顧客の獲得、そして売上アップに繋がります。
中でも、BtoBビジネスにおいて効果的なツールが「導入事例」です。
顧客が得た成果を具体的に示すことで、潜在顧客に安心感を持ってもらい、信頼性の高いコンテンツとして営業やマーケティング活動を支援します。
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